「月並」を避ける
「新しみは俳諧の花なり。」(服部土芳著「赤冊子」)
表現における新しさこそ俳諧の花なのです。
解説:「新しみ」は、句の姿、趣向、心、ことばを問わず、いろいろな意味での
オリジナリティを言います。
「他の句より先ずわが句に我が句、等類することをしらぬもの也」(服部土芳「白冊子」)
自分の句が他人の句と等類であるということは、なかなかわかりにくいことですが、それよりもまず自分の新作が、自分の旧作と等類におちいっているということは、一層気がつかないものです。 等類:趣向がほかの句と類似すること。
古い?新しい?
「古い新しいは、その人が句を見ていることの多いか少ないかによって決まります。それは既に多く人に詠まれている句であることを、古くからたくさんの句を見ている人は知っておりまする。」(高浜虚子「虚子俳句問答」)
深は、新なり(古壺新酒)
「今までの俳句の道を更に深く深くと志す方がより多く新しい得る道だと考えます。」(高浜虚子「虚子俳句問答」)
「月並み俳句の特徴」(明治書院「俳諧大辞典」)
- 駄洒落
- 穿ち
- 謎
- 理知的
- 教訓的
- 厭味(いやみ)
- 小悧巧(こりこう)
- 風流ぶる
- 小主観
- 擬人法等
子規の月並み俳句とは?(明治書院「子規は何を葬ったのか」今泉恂之介)
- 感情に訴えずに知識に訴えようとするもの。
- 陳腐を好み、新奇を嫌うもの。
- 言語のかいし(たるみ)を好み、緊密さを嫌う傾向。
- 使い慣れた狭い範囲の用語になずむもの。
- 俳句界の系統や流派に光栄ありと自信するもの。