6.推量の「む」「むず」

意味

  「む(ん)」「むず(んず)」ー意志・勧誘・推量・仮定・婉曲

  意志ー主語が一人称の場合が多いー「・・・しよう」

  勧誘ー主語が二人称の場合が多いー「・・・しましょう」

  推量ー主語が三人称の場合が多いー「・・・だろう」

  仮定・婉曲ー「もし・・・なら」「・・・のような」

 

「む(ん)」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:〇 て
  終止形:む(ん) 
  連体形:む(ん) とき
  已然形:め(め) ど
  命令形:〇

「むず」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:〇 て
  終止形:むず(んず) 
  連体形:むずる(んずる) とき
  已然形:むずれ(んずれ) ど
  命令形:〇

 

接続

  「む」「むず」は、活用語の未然形に接続

 

「む」の例句

  朝顔や百たび訪はば母死な   加藤楸邨(死ぬだろう:推量)

  この道もやがて凍てと歩きゆく   星野立子(凍るだろう:推量)

  わがための露日和かな働か   大木あまり(働こう:意志)

  連翹やこけ飾ら他人の家   小林康治(飾るような:婉曲)

  歳月の獄忘れや冬木の瘤   秋元不死男(忘れることがあるのだろうか:推量)

  別れな冬山の襞(ひだ)胸そこに   恩田侑布子(必ず別れよう:意志)