7.現在推量「らむ」・過去推量「けむ」

意味

  「らむ(らん)」ー現在推量/現在の原因推量/現在の伝聞・婉曲

    現在推量ー(今ごろは)・・・しているだろう

    現在の原因推量ー(のため)・・・だろう、どうして・・・だろう

    現在の伝聞・婉曲ーという、とかいう

  「けむ(けん)」ー過去推量/過去の原因推量/過去の伝聞・婉曲

    過去推量ー・・・ただろう

    過去の原因推量ー・・・たというわけなのだろう、(・・というので)・・・たのだろう

    過去の伝聞・婉曲ーたという、たそうだ

 

「らむ(らん)」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:〇 て
  終止形:らむ(らん) 
  連体形:らむ(らん) とき
  已然形:らめ(らめ) ど
  命令形:〇

 

「けむ(けん)」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:〇 て
  終止形:けむ(らん) 
  連体形:けむ(らん) とき
  已然形:けめ(らめ) ど
  命令形:〇

 

接続

  「らむ(らん)」は、動詞の終止形に接続

  「けむ(けん)」は、動詞の連用形に接続

 

「らむ(らん)」の例句

  鰯雲故郷の竈火いま燃ゆらん   金子兜太(燃えているだろう:現在推量)

  月明かし人を待つらむ藪虱   相生垣瓜人(待っているのだろう:現在原因推量)

「けむ」の例句

  幾人をこの火鉢より送りけむ   加藤楸邨(送っただろう:過去推量)

  春曙何すべくして目覚めけむ   野澤節子(目覚めたのだろう:過去原因推量)

  万葉の男摘みけむ蓬摘む   竹下しづの女(摘んだという:過去の伝聞・婉曲)