10.推量の「めり」「なり」「らし」「まし」

意味

  「めり」ー視覚による推定

    視覚による推定ー・・・のようだ、・・・に見える

 

  「なり」ー聴覚による推定

    聴覚による推定ー・・・のようだ、・・・らしい

 

  「らし」ー根拠のある推定

    聴覚による推定ー・・・らしい

 

  「まし」ー反実仮想

    反実仮想ーもし・・・であったら・・・であるだろうに

 

「めり」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:めり て
  終止形:めり 
  連体形:める とき
  已然形:めれ ど
  命令形:〇

 

「なり」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:なり て
  終止形:なり 
  連体形:なる とき
  已然形:なれ ど
  命令形:〇

「らし」の活用

  未然形:〇 ず
  連用形:まる て
  終止形:らし 
  連体形:らし とき
  已然形:らし ど
  命令形:〇

「まし」の活用

  未然形:(ませ)ましか ず
  連用形:〇 て
  終止形:まし 
  連体形:まし とき
  已然形:ましか ど
  命令形:〇

 

 

接続

  「めり・なり・らし」は、ラ変は連体形に接続

  「めり・なり・らし」は、ラ変以外は活用語の終止形に接続

  (「めり・なり・らし」の上には、ウ段音が来る)

  「らし」は、体言に接続する場合もある

  「まし」は、活用語の未然形に接続

 

 

「めり・なり」の例句

  玉霰夜たかは月に帰るめり   小林一茶(帰るようだ:視覚推定)

  日盛りに蝶のふれ合ふ音すなり   松瀬青々(するようだ:聴覚推定)

  筒鳥を幽かになる木のふかさ   水原秋櫻子(するような:聴覚推定)

「らし」の例句

  月の出や印南野に苗余るらし   永田耕衣(余るらしい:根拠のある推定)

  夏来るらし貝がらのストラップ   松瀬青々(するようだ:聴覚推定)

「まし」の例句

  俳句ではあまり使われない