無季の句の容認

「発句も四季ならず。恋・旅・名所・離別等、無季の句ありたきもの也。」(向井去来「去来抄」故実)
    発句も四季の句ばかりでなく、恋・旅・名所・離別の句等では、無季の句も
    あっていいものです。
    (芭蕉が、「無季の句の可能性」を示唆した言葉)

                     (石寒太「芭蕉の言葉に学ぶ 俳句のつくり方」)

「先師、有る時の給ふは、神祇・釈教・賀・哀傷・無常・述懐・離別・恋・旅・名所等の句は無季の格ありたきもの也。」(向井去来「旅寝論」)

    「賀・哀傷・離別・恋・旅」は古今集の分類そのままです。古今集の有季の歌は六百首、無季の歌は四百首です。

                    (山口誓子「芭蕉秀句」)