1.格助詞「の」「が」「つ」

主格助詞の「の」「が」

  雪の降る(流麗・柔弱)

     雪降るまへの桜の木にもたれ   長谷川双魚

  雪が降る(硬質・強調)

     山鳩よみればまはりに雪降る   高屋窓秋
  古語では、主格を示す格助詞は、「が」ではなく「の」を使います。

連体修飾格の「の」「が」「つ」

  梅の香(流麗・緩和)

     梅香のあとに水の香雑木山   畠山譲二

  梅が香(硬質・緊張)

     梅香にのつと日の出る山路かな   松尾芭蕉

  沖つ濤

     水仙のうしろ向きなる沖濤   長谷川双魚

同格の「の」

  陽炎や名も知らぬ虫白き飛ぶ   与謝蕪村