5.副助詞「まで」「のみ」「ばかり」他

副助詞「まで」ー体言・活用語の連体形、副詞、助詞などに接続

  どこまで(まで=範囲ー「・・・まで」、「・・・すら」)

     郭公やどこまで行かば人に逢はむ   臼田亜浪

     鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる   加藤楸邨

     蝶の恋まぶしきまでに昇りつめ   野良山朱鳥

副助詞「のみ」ー種々の語に接続

  詣るのみ(のみ=限定・強調ー「・・・だけ」「・・・ばかり」)

     むらさきになりゆく墓に詣るのみ   斎藤愼爾

     なきがらに雲雀うたふと思ふのみ   斎藤愼爾

副助詞「ばかり」ー体言・活用語の終止形、連体形、副詞に接続

  透くばかり(ばかり=程度ー「・・・ほど」)

     空蝉の身の透くばかり恋着す   稲垣きくの

  星ばかり(ばかり=限定ー「・・・だけ」)

     もがり笛洗ひ立てなる星さへ   上田五千石

 

副助詞「し」「しも」ー体言・活用語の連用形、連体形、副詞、助詞などに接続

  今日はしも(しも=強意ー「・・・はことのほか」)

     今日はしも匂ふがごとき春の空   福田蓼汀

副助詞「なんど」「など」ー体言・活用語の連用形、連体形、助詞、引用句などに接続

  など・なんど(など・なんど=例示ー「・・・など」)

  純潔など(など・なんど=強意ー「・・・なんか」)

     夏みかん酸っぱしいまさら純潔など   鈴木しづ子